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「宇宙を駆けるよだか」感想と考察

 

「宇宙を駆けるよだか」オリジナルサウンドトラック

「宇宙を駆けるよだか」オリジナルサウンドトラック

 

 

ネトフリで8月1日から配信されはじめましたドラマ「宇宙を駆けるよだか」(WEST重岡神山主演)、これがまあよかったので感想やら考察やらをぽちぽち呟きます。

最初このドラマをやると知ったときは、「あ~少女漫画実写か~…しかも結構ドロドロ系…?まあ一応神山いるし見るか…ネトフリ契約したらまたほのてん見られるし」くらいのテンションで、正直期待はしてなかったんですよね…

とかいいつつ、配信日は何だかんだそわそわしながら期末レポートを突貫で終わらせ、最初から最後までノンストップで見てしまいました。見始めたらどんどん引き込まれて行きました。

 

・女優陣の演技力

このドラマを見始めてまず最初にすごいなと思ったのが、主演女優お二人の演技力。入れ替わりという設定上、主演には2人分(厳密に言うと4人ですが)の人物の演技が求められます。あゆみ役の清原さんも然子役の富田さんも、それぞれあゆみ・然子の役に入ったときのスイッチングがすごい。具体的に言うと、爪を噛むなどの然子の癖。あと、然子とあゆみだと体形――特に足の太さが違うので、自然と歩き方が違ってくるんですよね。そこまで完全に再現されていて、おっとこれはただの少女漫画の実写化じゃねえぞと気付きました。それと、富田さんは然子だと正直本当に怖いんだけど、あゆみだと笑顔がめちゃくちゃ可愛いんですよ。同じく清原さんも、あゆみだと「なんだこの美少女は!!!」ってなるのに然子になったときの迫力や目力が半端ない!改めて女優さんすごいなあと感じました。重岡と神山ももちろんすごかったけど、清原さん富田さんのお名前がキャストの一番上に来ても全くおかしくないと思います。

 

・「愛されるべきは、外見か、中身か」

このドラマのキャッチフレーズですね。この文句だけ見ると、「そりゃ中身でしょ…」と思いますが、そう簡単に割り切れないところがこのドラマの面白いところでした。なぜなら外見は中身に大きく影響するからです。劇中でも、然子が外見のために苦しんできたという過去がたびたび描写されます。更に、ドラマではこの描写が強調されているなと感じたんですが、あゆみは「クラス1」と言われる可愛い顔…に加えて優しい親、豪華な家、可愛くて優しい友達、そしてハイスペック彼氏兼幼馴染…と、いいところ総取りな状況に置かれています。外見がいいことと生活レベルが高いことが強い関連性を持つ、ということが暗示されているんです。これじゃ、あゆみと正反対の状況にいる然子のは、そりゃ性格悪くもなるわなと思いました。そして、言ってしまえば悪役の然子にも、ある程度の―――人によっては大いなる共感をもってこのドラマを見ることができます。「外見か、中身か」じゃなくて、「外見は、中身」って言えるわけですからね。なんかそういう、人生におけるどうしようもなさが描かれている作品でもあるなと思いました。結局、然子も含めてハッピーエンドになるので、見終わった後はスッキリできるんですけどね!

 

・火賀と水本と重岡と神山

このドラマを見終わった人は、果たして火賀派・水本派のどちらになるのでしょうか。私は……水本派です。でも付き合うなら断然あゆみちゃんです。それは置いといて。で、まあ周囲は圧倒的に火賀派が多数です。いや、わかるよ、めっちゃわかるよ。火賀すっごいいいやつだし。私も1回見終わるまではずっと火賀応援してたし、「水本クソかよ」って思ってたよ。でもさあ水本は本当…不器用で損しちゃうやつなんだよ……。しかもこれは2周目したらわかるんですけど、途中までの「俺はあゆみちゃんの顔が好きだ」モードの水本はわざと悪役に見えるような演出をされてるんですよね……。ていうか今気づいたけど、火賀に対しては「あゆみちゃんの顔が好き」、然子に対しては「火賀が嫌いなだけ、あゆみちゃんのことは何とも思ってない」って言ってた時点で、矛盾してるんだよなあ…そしてそのどちらも本心ではないという。頭がよくて嘘が上手な分だけ損してしまうやつ、うん、そういうキャラ大好きです。さらに水本のキャラ造形に関していうと、「火賀が嫌いなだけ」という言葉は、全くの嘘ではない、と(勝手に)思っています。勉強でも運動でも勝ってるはずなのに、カリスマとか求心力ではどうしても勝てない、だからこそ火賀に嫉妬してしまう…というめちゃくちゃ人間臭い一面がすごく好きです。また、(演技とはいえ)然子と触れ合うことによってシンパシーを覚えていった、ってところも良かった。最後、3人で然子を探すときも、然子を助ける側に回ってたし。でも最終的には然子をきっぱりと拒絶するんだよなあ…もちろん、あゆみが好きな以上、然子を受け入れるわけにはいかないんだけど、(然子を)騙してるようでいて結局自分も影響されちゃってんじゃん!という所が最高に……好きです……。というか、然子と水本が、お互いにそういう暗い部分も認め合える関係性になれたらいいなと思います。然子とあゆみ、火賀と水本は確かに友達だし、あゆみと水本はいいカップルだけど、かといってその3組は絶対に然子と水本のような関係性にはなれないと思うので。恋愛感情とか、友情とは別のところにあるそういう関係性もいいと思います。

ところで火賀の話ですが、最初原作者さんのインタビューか何かを読んだとき、「関西弁の火賀がどうなるのか楽しみです」とおっしゃってて、「いやシゲ関西弁なんかい!なんやその改変!」って思ったんですけど、内容が入れ替わりものだったので、関西弁の火賀と標準語の水本が入れ替わったときに分かりやすくてよかったと思います。ただ4人が入れ替わってた期間はクラスメイトとか親とか気付かなかったのか…?という疑問は残りますが。まあそれは関西弁だけの問題でもない。

さて、先ほど少し触れた「水本が火賀に嫉妬してる」件ですが…ここからクソオタクの身勝手な解釈が入るのは承知の上で……

あれ、この構図……どこかで……????

 と思いました。いや、これ以上は語るまい。

…でも一つ言わせてほしいのは、水本の一連の行動が実はあゆみちゃんのためでしたよ~ってわかった時には、もう水本と火賀は入れ替わってたので、疑惑が晴れた後の水本は基本的に重岡が演じてるんですよね。そこにしげかみというかジャニーズWESTを感じました。君はそういう男だよ神山(ごめんなさい)

 

・音楽と雰囲気

1回ドラマを通して観たあとで原作も借りて読みました。話の筋はほぼ完全に再現されていたと言っていいんでしょうが、全体の雰囲気は結構違いました。原作の方は、然子がちょっとゆるキャラっぽかったり、宇金さんがゴスロリを着てたりキャラが軽かったり、と割とコメディータッチに描かれていました。まあ扱うテーマがテーマなのはあったと思いますが。一方で、ドラマの方は幽玄で重い感じ。私はこっちのほうが圧倒的に好きです。この雰囲気づくりに一役買っているのがBGMです。全体的にテクノ調で、ピアノも多く使われています。いやもう、エモい。。。人生で初めてドラマのサントラなるものをダウンロードしました。現在進行形で聴いてますが作業用にも最適。テスト期間中に出会いたかった!欲を言えば普通にCDで出してほしかったですわ。

 

・総評

めちゃくちゃ良かった!!!!!!

もう知り合い全員に「見て!」って言って回りたいくらい好きなんですけど、いかんせん配信なので円盤押し付けたりできないんですよね悔しい……。とりあえず円盤希望のお便りはだしました。キャストの演技、脚本、BGM、どれをとっても最高だったし、どれが欠けてもこんなにいい作品にはならなかったと思います。いや、「炎の転校生」もそうでしたが、ネトフリオリジナルドラマの完成度、高すぎでしょう。スポンサーとかいろいろな制約があるとはいえ、地上波ドラマ、これはちょっと危ないんじゃないの、という危機感すら覚えます。そんな危機感を吹き飛ばしてくれる作品になったらいいな、10月スタートの木10「黄昏流星群」!(最後に自担のドラマを宣伝する)